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帰ってからは非協力隊?

nanasisan@hotmail.com

 わたしは帰国して数ヶ月の青年海外協力隊員経験者です。匿名希望ですが。このメールマガジンは、青年海外協力隊経験者/志している/関心のある読者の多い、唯一のメールマガジンだと思っています。そこでこんな話―――

 最近こんなことを考えます。青年海外協力隊員の役目って、開発途上国での活動が終了すれば終わりだと思いますか。いいや、違うぞ。募集パンフレットには、途上国での経験を日本社会に還元していくのも役割だと書かれていたもの・・・。

 帰国してすぐの研修でアンケートがありました。『今後、協力隊経験者として地域の講演や催しに参加したいですか?』そんな内容だったと思います。わたしも鬼じゃありませんから、たとえ本音は消極的でも、適当に『出来る範囲でなら』と回答した覚えがあります。ちなみに、隣にいた人は、全項目きっぱり「お断り!」でした。やっぱりこういう人もいるんだなぁ、はいはい、そのために用意されたアンケートなのね、協力隊事務局も大変だなぁと。

 そんなこんなでひっそり暮らしていたのですが、ある日在住県のOB会という組織からお声がかかりました。ひょっとして、昔話に花を咲かせている情熱的な元協力隊員の集まりでは?!・・・と根拠もなく構えていましたが、初対面でも不思議なくらい楽しく話ができちゃうのです。みなさん気さくだし、話題に困ることもなく、聞いてないっつーのに向こうから国や職種を話してくるし。挙句気がつきゃこっちが一人でしゃべりまくって・・・うーん。なんかさっき書いたことと違うぞ。

 わたしのOB会に対するイメージは、印象は日増しに好転していきました。派遣中の隊員のために一肌も二肌も脱いじゃうし、新規派遣の隊員もお任せな、ほんと気前のいい組織なんですよ・・・(注:誤解もあるかも)。ただ、古株OB同士ががっちりスクラム組んでて、新参OBはちょっと入りかねる団結ぶりな県もあると聞きました。うーん・・ちょっと残念です。

 それから、OB会に熱心な人って、派遣隊員ばりにピュアだから、面倒な誘いがきたからといって、邪険にするのはやめましょうね。まして「関わりたくない」なんて言うのは、常識に欠けますよ。高校生じゃないんだから。(心当たりの人へ:ってそんな人はこれも読んでないでしょうが)。

 わたしは、帰国してから人前で武勇伝的な協力隊の経験談は避けるようにしてきました。それも意識的に。理由は二つ。一つは元協力隊員でぇす、と誇示するのはちょっと恥ずかしいことだと思うから。またその性質上、美談にまとめがちな話題であり、聞く方に煙たがられるのが怖かったのです。でも、最近ぽつぽつ講演の話がくるんです。これは嬉しいですよ、だって日頃封印している武勇伝もアリなんですもの。母も喜んでくれますし?!・・・わたしは周りに反対されたって二つ返事で引き受けます。大勢の前で話す機会なんてそうはないじゃないですか。建て前では自己研磨の場と位置付けて張り切っていますが、実はうまく話せた/話せなかったに一喜一憂したり、講演先の学校の先生がきれいだったからと内心ときめいたり(ぼそ)。

 最後に。声を大にして一句「協力隊・帰ってからも・勝負アリ(え?)」



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